“彼”と彼女のブルーベリーチーズケーキ

3/14
前へ
/74ページ
次へ
「なんか……少し食べると余計に空腹になるといいますか、なんといいますか。」 「嗚呼、ありますね、そういうの。」 「分かりますか?」 「えぇ、そんなにお腹減ってないけど薬飲まないといけなかったので少し焼き菓子食べたらお腹減ってきたってありますよ。」 「意外ですね、想像で一汁一菜・3食ちゃんと食べる生活だと思いました。」 「そんな礼儀正しい生活してませんよ、一人だと作るのが面倒になって手抜きだし、なんだったら2食しか食べない日も多々ありますし。」 「2食って…それってもちますか?」 「意外と。」 バツの悪そうな顔をして言っているあたり本人も良い事ではないことは分かっているのか紛らわす為にアイスティーを飲むのを見て自分でも不思議だが人間らしい一面を見たような気がした。 「そういえば皆さん私のことを完璧なモデルみたいな生活をしてると思っているのかこのての話をすると吃驚されるんですよね。」 「なにかそういうことがあったんですか?」 「休みの日に食べたレトルトカレーが美味しかったって話したら“レトルトカレーとか食べるんですね”って病棟のヘルパーさんに言われました。」 「暴論ですね。」 「誰だったそれぐらい食べますよね。」 困ったように笑って話しているが、少し前の俺も少しはそう思ってしまったと思う。
/74ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加