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「そういう神取先生もよく周りを見てらっしゃいますよね。」
「え?」
少し考えながら俺も同じアイスティーを飲んでいると話を振られて吃驚してしまった。
「そうですか?」
「眼鏡を変えたりメイクの色合いを変えるとよく気づかれるじゃないですか?今日もピアスを新調したのに気づいてらっしゃったし。」
「いやー……たまたま、ですよ。」
下手くそにはぐらかしたが、実際はあれだ。
無意識に目がいって、気付いたときに誤魔化すように違うところ見たり、話のネタを見つけるためにいろいろ見ている。
「……。」
実際は気持ち悪がられてないか心配になる時がある。
アイスティーを飲む満園さんの横顔を横目で見るとさっき話に出たピアスが目に入った。
シルバーの竜胆をモチーフにしたものだと教えてもらい、「まだまだ暑いけど時期的にね。」と言っていたが、季節感なんてなにも気にしたことがないかもしれない。
そういえばいつだったかほぼ全身同じ素材の服装をしていて何気なく聞いてみたら、安物だけど麻素材のもので揃えたと言っていたなー。
きっちり着こなすと安物だろうがなんだろうが見栄えが良く見えた、
やっぱり季節感だが服装も少し気にすると見た目が変わるものなのかと漠然に思ったのを思い出した。
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