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それを見た千夏が困ったように眉を八の字にして。
「誕生日ですよね、」
「、」
「もうすぐ。」
「…………私の誕生日は過ぎたばっかでまだまだ先よ。」
「知ってますよ、毎年レモンパイ作ってるじゃないですか。」
「いつでも食べたいわよ。」
「はいはい、また今度ね。」
「待ってます。」
「そしてボケたふりして話をそらそうとしない。」
「(やっぱり無理かー。)」
お兄さんとお姉さん達ほどではないが千夏も無理なのよね、特にこう言うの。
困った笑みを浮けばているのやれやれと言いたげに、
「今年も行くんですよね。」
「………まー……特に今年はね、」
「そうですよね、一応聞きますがまだ……。」
「好きよ、愛してる。」
「……。」
「だけどね、少しだけ自問自答する時あるのよね。」
「、」
サラッと言ったあとに最近思うことも言ってしまった。
「それどういう意味ですか?」
そうよね、だって去年も聞かれたときはこんなこと言わなかったし。
一度口を開こうとしたが外から音がしたので会話を止めた。
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