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「すいません、俺から誘っておいて。」
「いいえ、お電話大丈夫でしたか?」
「はい、大丈夫です。」
スッと背筋を伸ばし、電話を終えた神取先生を見た。
まだまだ暑い外で電話をしていたからか額に数滴の汗が見えた。
「お冷のおかわり持ってきますね。」と言って千夏が下がるのを見て持っているポケットティッシュを出した。
「汗拭きますか?」
「え、あ、有難うございます。」
「いえ、」
本当はこういう場合ハンカチが多いのだろうが相手が恐縮してしまうだろうしハンカチって手拭いたりしてちょっとだけ貸しづらいんだよね、細菌とか。
「まだ暑かったですか?」
「そうですね、でも昼間ほどではないです。」
「最近酷暑ですもんね、今日も脱水症状や熱中症の症状がある患者さん何人かいらっしゃったし。」
「怖いですね。」
「点滴の方多かったですね。」
さっきの重い話を払拭する為に神取先生を使って申し訳ないがこういう話をしていないと変なことを口走りそうになる。
「ティッシュ有難うございました。」
「いえいえ、」
「店員さんと何か話してましたが邪魔してませんでしたか?」
「(あー…。)」
多分会話の邪魔をしていないかの気遣いだと思うが一瞬心臓が跳ねるのが分かった。
そんなこと気を使わなくてもいいのに、もう!
今回も心の中で大袈裟に悪態つくくらいは許して欲しい。
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