“彼”と彼女のブルーベリーチーズケーキ

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→神取 「たいしたこと話してないですよ。」 ニコッと綺麗に笑ってそういう満園さんに何も言えなかった。 だってスキがないというか、完璧というか………なんというかもうそれ以上聞けないんだよ。 こうやって話すようになってわかったが、やっぱり人それぞれ聞いちゃいけないラインがあって、こうやって分かりやすくしてくれるだけありがたい。 ……超えてないよな、恐らく。 眼鏡で分かりずらいが恐らく本心では笑っていないというか仕事中よく見る顔といったほうが分かりやすいかもしれない。 「、そうですか、なら良かったです。」 「えぇ、ただの世間話のような……学生時代の話ですね。」 「学生といえば先輩後輩なんでしたっけ?」 「えぇ、そうですね。」 「仲良いですね。」 「そうですね、でもそれを言ったら神取先生もそうですよね。」 「………まぁ……、そうなりますかね。」 「記憶が正しければ、成澤先生と同じ大学でしたよね。」 「はい、同じゼミでしたが1年しか重なってる期間はないですね。」 こう思うと就職まで成澤先輩に面倒見てもらって頭が上がらない状態なんだが、いじるのだけはどうにかしてほしい。
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