“彼”と彼女のブルーベリーチーズケーキ

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「ちなみにここの店員さんも一緒にバイトしてました。」 「あ、そうだったんですか。」 「あとは高校は一緒だったけど学科は違う同級生が一人、その子は本当に料理が出来て調理師の免許も取得してたかな?」 「嗚呼、バイトで取れるって聞いたことあります。」 「そうそう、賄いとかも作ってくれて美味しかったよ。」 そういえば結婚して子供が出来てからあんまり連絡取ってないけど元気にしてるかな? 優しくて可愛い子だとは思っていたけど結婚早くてあの時は吃驚した記憶がある。 旦那さんは会社の上司って言ってたけど………そういえばあんまり付き合った経緯とか聞いたことないかも。 「サークルってどんなの入ってたんですか?」 「天文学サークルという名のほぼ夜に星を見に行くだけのサークルですよ、たまに山登って望遠鏡持って行ったかな。とはいっても、私は殆ど課題やってたかな。人数合わせで入っただけだったから。」 今思うと、“あの人”に会うきっかけになったから良かったんだけどね。 そこまで話すと思い出して表情が緩むのを隠すようにアイスティーのストローに口をつけた。 今思うと隠す必要性って無かったような気がする。 なんで隠そうと思ったんだろう?
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