“彼”と彼女のブルーベリーチーズケーキ

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「登山とかしてたから本格的じゃないですか。」 表情の変化に突っ込まれなかったことに安堵した。 やっぱり業務外だと表情を隠すのが下手な気がする。 「一応ってことですよ、とは言ってもガチな先輩達がいろいろ調べてくれたから何回も絶景は拝めたから良かったですよ。それに素人だけで登山は大変だから数人登山サークルの人達と一緒だったですし。」 あー、なんで私こんなことまで話してるんだろ? 話したすぐにそう思い、頬づえをしてしまった。 ちらっと神取先生を見ると些細な変化に気がつかないでくれたみたいで良かった。 ちょっとだけここはそこまで深く突っ込まれたくないから。 「そういう神取先生は学生時代どうだったんですか?」 「え、俺ですか!?」 やっぱりあんまり話したくないのか少し逃げてしまった。 それにこちらが話したんだから聞いたっていいでしょう。 少しだけニコッと顔を作り聞くと「あーえーっと、」と言いながら軽いパーマのかかった髪を触りながら考えていた。 ほら、聞かれると難しいでしょ? 自分は話から逃げておきながらこんな事を思う私はかなり性格が悪いと思う。 ちゃんと自覚してるから大目に見て欲しい。 そう思うと少し大きめだが皿の上のブルーベリーチーズケーキを食べきった、
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