悪魔の血

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お前の血など要らない その忌まわしい病気が伝染るから そう言って私を拒否したくせに ずっと私を否定し続けてきたくせに 「無意味に血を流して勿体無い」? 「寄付したほうが」? 何を今更 私の血は悪魔の血 汚されて真っ黒になった細菌が 増殖し蠢いている 赤い闇の中で そして闇は侵食され 次第にどす黒くおぞましい世界へと 見事に変貌を遂げる 私の中で 心臓から指先へ 足先へと拡がってゆく 私はそれを拒む事が出来ない 抗う術が 私にはもう無い 私の愚かな程無垢な脳も 痴呆のように真っ白だった心も 真っ黒な悪魔の血に犯されてゆく そうしてすっかり異形のものとなった私は ただ一人 この世の終焉を願う 私のように 悪魔に変貌する人間が これ以上増殖しないように 悪魔を作り出す不遜で傲慢な人間が これ以上我が物顔で蔓延るのを 阻止するために この世の終焉を 自分の終焉を 自分が滅びる事を願う (2019年9月28日作の詩)
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