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キヌコさんの秘密
午後三時、キヌコさんは東田の部屋を
訪れ、ノートを確認すると作業に取り掛かる。
窓を開け、掃除機のスイッチを入れて、
軽やかにリビングの掃除を行うキヌコさん。
掃除を終えたキヌコさんは、キッチンに
移動すると、軽快な音を立て包丁で
玉ねぎを切るキヌコさん。
時計は、午後五時を回っていたその時、
カチャリ……玄関を開ける音がした。
「え?」
玄関のドアが開く音を聞いたキヌコさん。
それと同時にリビングに向かってくる足音、
足音がキッチンに立つキヌコさんの前で
止まった。
「え……君、誰?」と若い男が立っていた。
驚くキヌコさん、思わず
「私、キヌコです……」と言った。
ダイニングテーブル脇に置かれた
ソファーには、
綿あめのような
たてに伸びるフワフワした
少し茶色の髪の毛、
いわゆる、アフロへアもどきの
キヌコさんの髪型のウイッグが置かれていた。
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