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5.真相
ふふっ。ちょろいわ。アリサ、あなたって本当にちょろいわね。
あの日、城本にあなたのドリンクに睡眠薬を入れさせたのは私よ。だって、アリサったらあの男に夢中で私の方を向いてくれないんだもの。
私はね、子供の頃からアリサだけ、あなただけを見て来たの。あなたの唇を初めて奪うのも、あなたの処女を奪うのも、全部私なのよ。私のためにあなたは存在するのよ。
だから、あの男が邪魔だった。あなたがあの男に抱いている想いはお子様ランチの淡い夢だって気付いていたし、まだ身体を許す覚悟も出来ていないって事は分かっていたわ。あいつを排除してあなたも手に入れる。そして、あの男を意のままに操るために、そう、弱みを握るためにも、私はあの日あいつに薬を盛らせた。
そのために、三カ月前からあいつに近づいて、寝て、私に夢中にさせたわ。ああ、アリサ、あなたのためだったら私はどんな男とでも寝るのよ。
あいつはあっという間に私に夢中になった。だから、あの男にこう頼んだの。
「ねぇ、飲み会の時、アリサのドリンクに薬を混ぜてくれない? あの子、昔私が好きだった男を盗ったのよ。今でもそれが許せなくって……。あの子あんな風に純粋ぶってるけど、けっこうなヤリマンなのよ。だからね、お願い。あの子の事は好きにしていいから♡」
あの男は躊躇っていたけど、私に夢中だからあっさりと言う事を聞いたわ。あの男には私が十分に性の歓びを植え付けておいたから、他の女を犯そうとするなんて簡単にすると思った。
そして、あなたをあの場で助ける事で、私はアリサ、あなたの心も完全に掌握して、同じ部屋に住むきっかけも作ったわ。
いつも、いつもそうだった。あなたに近寄ろうとする男は、皆私が咥え込んできた。これからもそういう奴が現れたらそうするし、あなたは私だけのものなのよ。
それにしても、城本の奴はその内始末しなきゃね。あいつはあなたに薬を盛った事に少なからず罪悪感を持つはずだわ。黒幕が私だなんて喋られたらたまんないもの。あいつには別の猛毒でも盛るわ。
「ああ、アリサ……可愛いアリサ……これからもよろしくね……あなたは私だけのものよ、永遠に……」
ああ、アリサ。あなたの寝顔を見ているだけで私は高まって来てエクスタシーを感じるわ。これからは永遠に同じ時を過ごしましょうね。
邪魔者は────私が排除してあげるから。
────了
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