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その頃、ぼくは電車に夢中だった。
3才の男の子なら、誰だってそうだろう。
ところが、父はそれほどでもなかったらしい。
子供の頃の父は、恐竜やスポーツカー、飛行機の方が好きだった。
それでも父は、プラレールで一緒に遊んでくれた。
自分の趣味や好みを、息子に無理強いすることはなかった。
ぼくのお気に入りは、在来線だった。
新幹線よりも、断然山手線が好きだった。
大人になったら山手線の運転手になりたいと思っていた。
学者だった父は、それを知って少しがっかりしたと、後にこっそり打ち明けた。
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