お天気雨の奇跡(小説版)

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毎週日曜日、父とぼくは都営バスで(ぼくは路線バスも大好きだった)目黒駅か品川駅まで行って、山手線に乗った。 先頭車両に乗ると、父はぼくを抱っこして、運転手の肩越しに線路や景色を見せてくれた。 途中で中央線に乗り換えることもあったが、ひたすら山手線をぐるぐる回るのがぼくは好きだった。 今考えると、父の腕は、さぞ疲れたことだろう。
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