お天気雨の奇跡(小説版)

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その時、父は唐突に「帰ろう」と言い出した。 こんなに早く、どうしたんだろう? 傘を持ってないのなら、雨が止むまで電車に乗っていよう! ぼくは父にお願いしたが、聞いてはくれなかった。 いつもなら、ぼくのしたいようにさせてくれる父にしては、奇妙なことだった。 しかたなく、ぼくたちは目黒駅で降りた。 夕日がまぶしいくらいだったが、まだ雨は降ってた。 不思議なお天気雨の中、駅からバス停まで駆け抜けると、都営バスに乗り込んだ。
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