家庭用ロボットたまごさん

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 すると聞き覚えのある声が聞こえてきて、ハッと我に返った。 「……蔵一……さん……」  俺はその声を聞いて、嬉しくて泣きながらたまごさんを見つけ出した。白いたまごさんはぼろぼろになって黒ずんでいた。  俺はたまごさんを抱きしめて、家に帰った。たまごさんを修理業者に出すと、また攻撃される危険性があった。俺はたまごさんを綺麗な布で丁寧に拭いて、あれこれ自分なりに工夫して修繕した。  とても完璧とは言えないけれど、たまごさんの体は白くなり、機能は正常に戻った。テレビを見るとニュース速報が流れていた。 『TKG0141の開発者、片山義夫が何者かによって殺害されました。これによってロボットが世界征服をする計画は完全に消滅しました。持ち主の皆様には大変ご迷惑をおかけしましたが、もうロボットを破壊しなくて済みます。人類は守られました』  俺は改めて綺麗になったたまごさんを抱きしめた。たまごさんは今まで見たことないほど黄色に染まっていた。俺はたまごさんの頭を撫でながら、これからも仲良く暮らしていきたいと思った。
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