古民家宿-梅雨-

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家に着く。 さっき渡されたチラシを読む。 少しして、玄関の扉が開く音がした。 「ただいまー」 「おかえりー」 お母さんとお父さんが仕事から帰ってきた。 今日は2人とも早く終わるとは言っていたが、まさか、一緒に帰ってくるとは思わなかった。 お母さんとお父さんがリビングへ入ってきた。 2人とも何か紙を持っていた。 「2人とも何を持ってるの?」 そう訪ねると、お母さんが答えながら、2人とも私と同じ古民家宿のチラシを持っているのに気がついた。 「これね、さっき道の脇で古民家宿のチラシを『よろしく』って言いながら、女の人が配ってて頂いたの」 お母さんが嬉しそうに言った。 続けてお父さんが言った。 「実は、今年は休みが取れて、古民家宿に行けるかもしれないぞ」 「ほんとに!?」 私は嬉しくてつい声が大きくなってしまった。
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