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あれからちょうど7年。
枝にしがみつく様に耐えている残り僅かの桜の花は、未練がましい俺みたいだ。
「会社の、3歳下の後輩を好きになった。別れたい」
そう告げた俺に美桜は何も言わずただ静かに泣いた。
幾度となく将来の話をして、幸せな未来を当たり前の様に2人で思い描いていた。突然手を離した俺を、美桜は一言も責めなかった。罵られた方がどんなに良かったか…。
「ごめん」
本当にごめん。どうか幸せになって欲しい。
ごめんな。愛してるよ。ごめんな…。
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