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【TIME1】悪魔が現れた夜
「――ハァ…! ハァ…!!」
一人の女性が暗闇の中、息を切らしながら必死に何かから逃げている。
――そして、ついに追い詰められたのか、女性はそこで突然足を止め、全てを諦めるかのように腰をガクンと落とすと、首を振りながら怯え始めた。
「…ひ、ひぃぃっ! や、やめて!! 来ないでぇぇっ!?」
必死に何かに向かって我武者羅に訴えるが、時はもう遅し。
次の瞬間。血しぶきと共にその女性の首が瞬時に跳び跳ねた。女性は死んだのだ。だが、そこには誰もいない。
そこには、女性の死体しかなかった。
***
「あ、お~い! 蒼真くーん!」
見た目から低身長で、マスコットキャラのようなぽっちゃりとした体型をしている一人の男が誰かの名前を呼ぶと、それにすぐ反応したのが、青い髪をしたもう一人の男だった。
その男はいかにも不良という見た目をしている。が、それとは裏腹に、ぽっちゃり体型をした男に名前を呼ばれ、嬉しそうにその場に近寄った。
「おお~!? 久しぶりじゃん芥!」
「蒼真くんこそ!! なんでこんなとこに?」
驚きと嬉しみが交差しながら、二人はその場で立ち止まり、話を続けた。
今いるのは公園。って言っても、もう壊れかけのボロい公園だ。遊具なんかも古びて錆びついている。
「…いや、だってここ……オレ達の思い出の場所だろ?」
ニィっと笑顔で訪ねると、芥もすぐに反応する。
「うん。確かにそうだね!」
お互いが納得し合うと、二人はお互いを見合った。なぜなら、再開するのは本当に久しぶりだからだ。
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