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――この男、天道蒼真は現在十六歳の高校生。そして、もう一人のぽっちゃりした方の男の名は、佐藤芥。蒼真と同い年の高校生だ。
この二人は昔絡みの大親友であった。ずっと一緒に釣るんで遊んでいた。でも、高校に入ってからは、二人はそれぞれ別々の学校に行き、それから会う機会はなくなった。けど、ついさっきあの公園でやっと再開を果たすのだった。
なぜなら、あのボロ公園は二人にとっての……。
***
公園を出て、あれから二人は歩道をただ真っ直ぐ歩いていた。
「蒼真くん? 聞いてる?」
芥が蒼真の顔をじっと覗くと、蒼真は思わず大声で叫んでしまう。
「うおおお!?」
「わっ!? いきなりどうしたんだい?」
いきなり叫び出すもんだから、芥も釣られてビックリしてしまう。どうやら、蒼真は何か考えごとをしていたらしい。それで、芥の話など一ミリも聞いていなかったのだ。
「いや、なんでもねぇ! で、なんの話だっけ?」
蒼真は芥に再び何を話してたのかを問いただすと、芥は呆れるように首を降った。
「全く! 蒼真くんはほんと変わらないね、会うといっつも何か考えてる。一体何を考えていたんだい?」
逆に芥に尋ねられてしまい、蒼真は一瞬ドキっとなった。それで、すぐに蒼真はどうにか聞かれるのを阻止しようと、今の話を全力で遮ろうとする。
「だから、なんでもねぇって! ただぼーっとしてただけ!! それより、芥さっきなんて言ってたの?」
早口で話を無理やり戻そうとすると、芥はまた一回ため息をしてから、話をようやく戻した。
「はぁー、もういいよ! 次はちゃんと聞いてよね?」
「わかったわかった!」
なんとか聞かれることを阻止することが出来て、蒼真は一安心した。
そして続けて、芥はさっき何を話していたのかを話し始めた。
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