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「ここだな………」
俺は、龍一が泊まりに来た人の家の前に立っていた。
その人の名前は、興津祐希(おきつゆうき)。
彼は、龍一を通じて仲良くなった人である。
<ピンポーン
「お、颯じゃねえか」
「やほ、祐希」
「お前、学校は?」
「そういう祐希こそ」
「ひひっばれたか」
「そんなことより、俺の質問に答えてくれないか」
「嫌だと言ったら?」
「好奇心旺盛の祐希が俺の質問に答えないわけが無いと思うが」
「ははっ、そのとおりだ」
「じゃ、聞かせてもらうぞ」
「ああ、どうぞ」
「昨日、というか今も、龍一はこの家に泊まっているか?」
「YesでもありNoでもある」
「どういうことだ?」
「昨日は確かに泊まりに来た。だが、今日の朝、龍一は自分の家に帰っていっ
たぞ」
「なるほど」
「なんでそんなことを聞くんだ?」
「ちょっと、な」
「めちゃくちゃ意味深じゃねえか」
「あと一つだけ答えてほしい」
「何だ?」
「龍一はなぜ突然祐希の家に泊まりに来たんだ?」
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