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「龍一は、自身の不安の種を取り除くための方法を必死で考えていた。そして、ある方法を思いついたんだ」
「それは何?」
「自分の不安の種を取り除くには、2人きりになれば良いんだ。誰にも邪魔さ
れずに………」
「ああ、そうだな」
「では、2人きりになるにはどうすればいいか。国外逃亡?高校生にそんなこ
とができるわけがない。ホームレス生活?確実に2人きりになれるとは限らな
い。その他あらゆる可能性を考えて、たった一つだけ2人きりになれる方法を
思いついた」
「その方法とは?」
「心中だよ。心中、という言葉は少し不適切かもしれない。愛しているのは片
方だけだからな。悲しいことを言うようだが、俺は龍一のことを友達としか
思っていない」
「わかりきったことだ、今更そう悲観するな」
「ああ、すまない。ともかく、龍一は俺との心中を企んだ。でも、もちろん颯
がそれを了承するとは思えない。だから、謎のメッセージを送って、俺の最期
を少しでも楽しませようとしたんだろ?」
「それが全てだと?」
「ああ」
「なるほどねえ」
「その返しは、まだ少し間違いがある、ということか?」
「まあ、ほとんど合ってるけどね」
「じゃあ、模範解答をどうぞ」
「では、言わせていただこう」
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