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ましてや、しのぎを得ようと店を選び入場抽選に並ぶ専業たちにとっては、その店が出してくるか、自分がその恩恵に預かれるかしか考えていない。
エリート『抽選の並びは80人弱だった。各自、結果は?』
キャバ『8番、もっといい番号引けると思ったんだけどな~』
ヲタ『31番。これで問題ない、マイ3に行く』
キャバ『で、エリちゃんは?』
エリート『聞くな』
キャバ『エリちゃん、ほんと引き弱いからね』
エリート『君と比べられても困る。僕は適当に腰を下ろす。キャバは押さえられるなら絆を』
キャバ『言われなくても絆打つもん!』
ヲタ『俺はいつも通りでいいか』
エリート『問題ない』
キャバ『Aタイプ打たせたら一級品だからね、ヲタくんは』
ヲタはメッセージを返さず、目立たない路地の角に立ち周囲を眺めた。
再整列を待つ、所在なく店の周りをうろつく若者たちの群れ。
本来は何かしらの勤め先で汗水流して働くべき者。キャンパスで学業とモラトリアムにいそしむべき者。それらをサボるか、放棄した者たちの集まり。
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