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この時だけは誰もが目を輝かせ、自らの勝利を疑わずに目当ての台へ向かっていく。その半数以上が数時間後に生気を失った目でこの場を去ることも忘れて。
キャバ「中入った、絆の島中の台押さえたよ。マイ3はまだ余裕あるかな」
ヲタ「……候補はいくつかあるから……問題ない」
エリート「他の様子は?」
キャバ「それっぽい奴らは番長3埋めてるね。あとRe:ゼロと鏡も」
ヲタ「今日は……大都機種は強くないはず」
エリート「ありがたい話だ。では通話は終わりに」
キャバ「……ん?」
エリート「どうした?」
キャバ「ううん、何でもない。気にしないで」
ヲタ「俺も候補台を押さえた」
エリート「では後はいつも通りで」
ヲタはラインのグループ通話を切ると、イヤホンを胸ポケットにしまった。
列の最後方から店に入ったエリートは、足を早めることもなく定められたかのように台の並ぶ島の通路を端から歩いていく。
その目には台の挙動だけでなく打ち手の姿も映し出されていく。
キャバの報告に間違いはない。素直に割の高い台から埋まっている。
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