116人が本棚に入れています
本棚に追加
クリスマスイブの朝
十二月二十四日の朝、
唯のスマホに着信が入る。
ベッドの中から手を伸ばしスマホを
手に取る唯。
「もしもし……」と寝ぼけ声の唯。
「唯? おはよう」
電話の相手は親友の千春
「千春どうしたの? こんな朝早くから」
「ごめんね~、唯、
今日のお昼空いてる? 仕事?」
「う~ん 昼間は空いてる」
「え~そうなんだ。クリスマスに稼ぐね……」
「どうしたの?」と唯が聞いた。
「今日と明日ね、『RAIN』の
クリスマスコンサートに当たってさ、
それで、今日一緒に行く人が
急にだめになったって……
で、唯どうかな~?
って思ったんだけど……」
「私? ごめんね~それは遠慮する
それに夕方から仕事だし、
千春、『RAIN』の
コンサートに行くんだ」
「そう、ね~コンサートは昼間だから
夕方からの仕事に間に合うよ。
ね~行こうよ、唯……お願い」
「『RAIN』のコンサート……」
唯に数年前のあの時の記憶が蘇る。
しかし、例の如く、拝まれたら断れない唯。
「仕方ないな。わかった行くよ」
「それは、よかった。じゃあ後で……」
千春との会話を終えた唯。
時計を見ると、
「まぁ、なんとか間に合うかな……」
と言うと、急いで準備を始めた。
最初のコメントを投稿しよう!