異常気象は人さえ変える

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異常気象は人さえ変える

 五月なのに暑い日が続いている。テレビの画面は、高温注意報が出っぱなし。 「卵ショックが終わったと思ったら、今度は飲料水の奪い合い」  母がもううんざりとばかりにため息をつく。スーパーでは飲料水までお一人様一点限りのビラが貼られている。 「レンタルサーバもアクセス集中するしね。全部暑さのせい、雨さえ降ってくれたら落ち着くのに・・・」  最初は晴天最高とはしゃいでいた人たちも次第に雨が恋しくなり、パンデミックの時のように、全国各地で雨乞いの逆さてるてる坊主を作るようになっている。 「みさとも駆け回ってくれたの?」  雨乞いてるてる坊主を作るため、製紙会社はこぞって黒いティッシュを増産し、売り始めた。母は飲み水を買いにスーパーを梯子しあたしは、黒いティッシュを手に入れるべく、暑いなか自転車を漕ぐ日々。 「行ったけど、夕方にはもう売り切れてるよ。だってさ、黒紙がもう手に入らないんだって」  お互いが苦笑いするなか、外で動く物音がし、あたしは、母と共にアパートの部屋を出ていくと。
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