来栖くんまでの距離

2/2
5人が本棚に入れています
本棚に追加
/2ページ
ん?? 彼氏っていったら一緒に帰らない?香乃は用事で先に帰ったけど、当の本人、来栖くんも先に帰っちゃったし……。スマホ開いても来栖くんの連絡すら知らないし、来栖くんの友達も良く分からないんだよね…… 電車を待っていると見た事ある姿……クリーム色のした髪のをした人が立っていて電車に乗り込んだ。私もこの電車だから乗るけどこれは決してストーカーではない! 来栖くんは直ぐ私に気づいて冷めた目向ける。 「あんたも同じ電車なんだね」 「そ、そうそう!吃驚したなぁー。まさか来栖くんも同じ電車に乗ってるなんて知らなかったよ。奇遇だね、アハハハ!」 後頭部に手を当てる。 って、言うのは、嘘で本当は今さっき見掛けて気づいたんだよね。 扉に、もたれかかって少しだけ気ダルそうに眉間に皺を寄せてじーっと見る。 「え?なに?私、何か間違えちゃった?あっ、そう!私、次の駅で降りるの」 「……何か態とらしいのが見え見えなんだけど気のせい?」 軽く首を傾げる来栖くん。 ピクッと肩が揺れる。 「え───っと……」 目を逸らす。 「俺を見掛けたって事でいいんだよね?まぁ、いいけど」 「○○駅〜○○駅〜」 ○○駅とアナウンスが流れて、スッと電車に降りた来栖くん。私も降りたけど…… 「じゃあね、来栖くん、また明日学校でね」 ガヤガヤとした雑音で私の声は消され来栖くんには届いてないだろう。 私も帰ろう。まさか、同じ電車でおりる駅も一緒だったなんて初めて。私は……男の人に興味がないし苦手だからな……なのに付き合っちゃってるとか意味深だな、私は。 こんなイケメンと上手くいけばいいけど、これでも一応、男嫌いなのを頑張って隠してるつもりだからバレない様にしなきゃ……あの日は本当に怖かったし同じ様なことおこりたくない。 来栖くんの連絡先知らないからまた、聞ける機会があったら聞いてみよ!
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!