来栖くんまでの距離

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来栖くんまでの距離

教室を戻ると、香乃に…… 「彼氏出来て良かったじゃん。しかも、学校一のモテ男。あんた苦労するよ。まじで」 「そうかなぁ?だけど、嬉しいなぁ、私に彼氏が出来るなんて」 「はい?あんた中学生や幼稚園で彼氏いたじゃない。何、初めて彼氏が出来たと思ってんの」 「いやいや、あれは付き合ったって入らない」 「入ってるよ、イケメンだからって浮かれてたらあんたが不安に押しつぶされたり心配するだけなんだよ?」 「何も心配にならないから安心して」 「……はぁ」 冷めた目で頬杖をつく香乃。 「あんた自分の事考えてなさ過ぎ!!ダメ男ホイホイについて行きすぎだし前だってナンパされて気づいてないニブチンが、あいつの事も知ってるでしょ?!蘭は警戒心なさ過ぎ!自分で分からないの?来栖くんにも何されるか分からないよ!」 「大丈夫、大丈夫!私的に来栖くんは、恋愛対象じゃないから」 「あ、あんたそれで彼氏って言ってんの?バカなの?」 「どうせ、予防線でしょ?女避けみたいな感じでしょ。私、そういうの大丈夫だから」 ハアアと大きなため息を切らす私に香乃は首をフイフイと横に振る。 「……あんたのそういうのう天気で人を疑わない素直な所はいいけど、もう何を言っても心配は耐えないから何かあったらちゃんと私に相談する事!絶対私に言う事!!わかった?!」 姉御肌な香乃に私は頬が緩む。頼もしいなぁ。香乃は本当に大人だなぁ。来栖くんの噂は悪い噂じゃないし、彼の事は分からない。なのに、周りは勝手に決めて当の本人は気にしてないみたいだけど、でも、私は……君みたいな自由で居てる君が素敵だと思ってる。 に、しても、来栖くんの机の周りに女子が囲んでるな……本人は音楽じゃんじゃん鳴らしてヘッドホンしてるのにお構い無しなんだね。 「はいはーい、ごめんねー?今、映茉は取り込み中なの。そっとしといてあげてね。きっと、イライラしてるから」 「えー、クラスから出て行ってやっと戻ってきたんだよ、ねぇ、映茉くん、聞いてる?!」 ニコニコモードで女子の囲みを片手で阻止する捗澄くん。 「……えー、クラスちょっと離れただけでぇ?すっごい重いんだけど?もう、授業も始まるしそろそろ自分の教室に戻ったら?映茉が可哀想」
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