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「ちょ、姫ちゃん!?」
「ごっ、ごめんね礼二郎君! 私こう見えてゲラなの~っ!」
姫子はオカ研の部室以外の場所では常に無表情というか、スンとしている。
雑談をするのも礼二郎くらいで、後は常にスマホで動画を見ている誇り高きぼっち女子だ。(最近は常に礼二郎が隣にいるので全然ぼっちではない)
「笑ったことは否定しないの!?」
「ごめんなさい! JCと同レベルな礼二郎君、面白すぎる!!」
「正直だね!?」
京介も礼二郎の隣でくっくっと笑っていた。(席順は京介→礼二郎→姫子で並んでいる)
「あら礼君、女の子ともそんなに仲がいいなんて珍しいわね……」
「ああ、姫ちゃんは大学で出来た俺の親友だからな!」
「しっ、しんゆう!? わたしが礼二郎君の!?」
「え、違うのか……?」
「いや、むしろいいの!? ねえ柴君!」
姫子はしゅんとした礼二郎をスルーして京介に訊いた。受けの親友ポジは、BL界隈でも何かとトラブルを引き起こしがちだからだ。
「俺的には池永君や平尾君よりも、断然中西さんを礼二郎の親友に推すけど?(安全だから)」
「えええ……いいのかなァ……まあそういうことなら、礼二郎君と同じ学部でたったいま親友になりました、中西姫子です。よろしくお願いシマス……」
姫子は礼二郎の両親に再び自己紹介し、ぺこりと頭を下げた。
「よろしくね、姫子ちゃん……礼二郎のこと可愛がってね……」
「可愛がる担当は主に柴君なので、私は面白がる担当なのです」
「まあ……! じゃあ何か礼二郎関連で面白いことがあったら、私達にも共有して貰えるかしら……?」
「はい、喜んで!!」
姫子はすみやかに礼二郎の両親とライン交換をした。
(恋人の俺よりも先にライン交換するなんて……なかなかやるね、中西さん)
(ごめんね柴君、あとで交換してもらってね……)
姫子と京介は目と目で会話をした。
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