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家族の為の学校
この学校はおかしい。
その事に気づいたのは私がこの大学の入学式に出席した時からだった。
この大学は生徒の為の大学じゃない。
この大学は文字通り「家族の為の学校」なのだ。
そう、ここにいる学生は皆んな納得して家族の為に入学したのだ。
でも、私だけは父も母も本当の事を教えてくれなかった。私の住んでいる地域では本当の事を教えてはいけないという事になっていたらしい。
そう、何も知らなかったのは私だけ。
私は両親に売られたのだ。
何も教えてくれなかったという事はそう言う事なんだろう。
私は家族の為にここで恐ろしい授業を受けなければならない。
途中で逃げ出したくなったら、きっとこの大学の学生達は私の事を白い目で見るに違いない。
だから私は逃げ出すことさえ許されない。
私は卒業までこの大学の寮で生活しながらこの
狂った授業を受けなければならない。
ここは「家族の為の学校」なのだから。。。
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