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「なにかあったのね」
家に帰ってからも目に見えて落ち込んでいると、
「よくわかったね」
「そんな分かりやすぐ落ち込んでたらねぇ」
その時、お父さんが仕事から帰宅してきた。
ことの流れを説明する。
「なるほどな。まぁ、ありがちだよな」
お母さんが台所で頷いてるのが見える。
「小学生の時なんて喧嘩したらすぐ、絶交だ、なんて言ってたもんな」
確かに小学生の頃って、そんな感じだった気がする。そして翌日には、友達に戻っていた。昨日のことなんてまるでなかったかのように。
今思えば、その時の私にとって、目の前で起きること全てが一瞬であり、永遠だったのかもしれない。
今もそこまで変わらないのかもしれないけど。
「今は、意地を張って受け入れられないんだろうな」
お父さんが優しく笑う。
何となくわかる気がする。
こういう時に必要なのは、"余計なお節介"だろう。
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