雨よ降れ

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雨よ降れ 気忙しく翔ぶ蜻蛉達の羽を休ませておくれ 彼方に発つ此の魂を、此方に来る彼の魂を 今日もせっせと背に乗せて 涅槃とこの世を繋ぐ羽 嗚呼、また太陽が、分厚い雲を割り顔を出した キラキラと光を通し、乾く羽 さあ、また魂を彼方此方運ぶ時よ 楽しかったかい?此の浮世 また迎えに行くからね その時まで、暫しのお別れ 雨よ降れ 蜻蛉の羽を暫く濡らし、此の魂をもう少しだけ此処にいさせてくれないか おしまい
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