2人が本棚に入れています
本棚に追加
雨よ降れ
気忙しく翔ぶ蜻蛉達の羽を休ませておくれ
彼方に発つ此の魂を、此方に来る彼の魂を
今日もせっせと背に乗せて
涅槃とこの世を繋ぐ羽
嗚呼、また太陽が、分厚い雲を割り顔を出した
キラキラと光を通し、乾く羽
さあ、また魂を彼方此方運ぶ時よ
楽しかったかい?此の浮世
また迎えに行くからね
その時まで、暫しのお別れ
雨よ降れ
蜻蛉の羽を暫く濡らし、此の魂をもう少しだけ此処にいさせてくれないか
おしまい
最初のコメントを投稿しよう!