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夢想掛け軸
物の化け物で物の怪だ。
それは何も描いていない掛け軸だ。
その掛け軸を作ったのは力はあるが女だから評価されなかった陰陽師の娘だ。その娘は呪物を作っていた。
その掛け軸は雨の日に未来を描く。
雨の日、部屋に一人でいる時に掛け軸に未来が描かれるのだ。
別に一人じゃなくてもいいのだが、描かれるのは一つだ。同じ絵は描かれない。理由は掛け軸が同じ絵を描くのが嫌だから。結果的に一人で使う。
少年はその話を信じていなかった。
近所の爺さんが何も描いていない掛け軸を騙されて飾っているだけだと思っていたが、少し期待していた。
ふって欲しいと思うと雨がふらない。
少年は天気予報を何度も見るがなかなかふってくれない。
雨がふった。
雨の日に少年は近所の爺さんの家に行った。
掛け軸の部屋に向かう。
鬼が描かれていた。
人を食べる鬼。
後ろに爺さんがいた。
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