第1話

4/9
3223人が本棚に入れています
本棚に追加
/417ページ
 瑠璃子は自分のあまりのバカさ加減に嫌気がさした。 先週、地獄の一日を味わって以来、生きている意味さえもわからなくなった。 何もかもがどうでも良くなり、自暴自棄になる一歩手前で踏みとどまっている。  もう自分は一人なんだ。そう思ったら、ダイエットする必要もない。 だったら大好きなチーズケーキを死ぬほど食べてやる! まあ、死ぬほどは食べないが、今まで控えめにしていたケーキも解禁した。 瑠璃子はチーズケーキを購入すると、すぐに駅に向かい、電車に乗った。  二十分ほど電車に乗ると、自宅マンションがある最寄り駅に着いた。 瑠璃子は、駅前のスーパーで夕食の弁当や食材を買ってから、自宅へ向かった。 明日の休日は、家に引きこもろうと思っていた。  部屋に帰ると、すぐにシャワーを浴びてからスーパーで買った弁当を食べ始めた。 料理なんて作る気力もない。 今はただひたすら自分を甘やかして、自分で自分を慰めようと思っていた。 テレビをつけてみたが、バラエティー番組の出演者の豪快な笑い声が耳障りですぐに消した。そして息が詰まるような静けさの中で食事を終えた。 瑠璃子は重い腰を上げ、食べ終わった弁当の空箱を片づけてから、コーヒーを入れた。 そして先ほど買ったチーズケーキと一緒にパソコンが置いてある机の上に置いた。
/417ページ

最初のコメントを投稿しよう!