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母の再婚相手は、母が勤務している職場の、当時五十代後半の医師だった。
とても紳士的な人で、瑠璃子にも優しくしてくれた。
とても良い人だったけれど、義理の父に対しては多少なりとも気は遣う。
だから、瑠璃子は実家には用がある時しか帰らない。
もちろん瑠璃子が帰ると、二人はいつも温かく迎えてくれた。
しかし瑠璃子が帰る事によって、気を遣わせてしまうのが申し訳なかった。
母には母の人生があり、苦労した分幸せになって欲しいと思っているので、
なるべく迷惑をかけないように、自立して生きて行こうと決めていた。
しかし、さすがに今回のダメージはかなりのものだった。
何よりも、職場で中沢と毎日顔を合わせなくてはならないからかなりしんどい。
瑠璃子は今転職を考えていた。もう既に応募はしている。
一昨日リモートで面接も受けた。あとは結果を待つだけである。
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