雨を降らす力って良いのか悪いのかよく分からないよねっていう話。

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?「よ、アメフラシ~」 僕の名前・・・じゃなく、勿論生き物の名前を言っているわけでもない。 僕のあだ名みたいなものだ。 よく雨を降らせるから、アメフラシ。 茶化して言っている節はあると思うけど、正直僕はどうでもいい。 「何?たっちゃん」 それに何より、友達がそう呼んでいるんだから悪い気はしない。 風見達也、同じ中学2年で同じクラス。 幼稚園の頃からの腐れ縁って奴でずっと一緒にいる。 達也「今日暇?」 「・・・特に用事はないけど・・・」 達也「んじゃ、ちょっとアメリカ行こうぜ?」 「うん。」 え?おかしな会話だった? 遊びに行く感覚で外国に行くってところがやっぱ変かぁ~ 実は僕のこの不思議なチカラって既に全世界に知れ渡っているんだよね・・・ 国境を越え、あらゆる国々で神様って崇めるところもあるくらいには認知度は半端ない。 じゃあその不思議なチカラで人体実験なんて恐ろしい展開にならないのか?って言われるけど、まぁ。 結論から言うと、誰も僕に手出しできないんだ。 この力を守ろうとする不思議なチカラが働いて調べようにも調べられない。 それならそれでその力を存分に利用しようっていうことであっちこっちにお呼びがかかったっていうこと。 たっちゃんはその架け橋。 どこからか雨の恵みを欲しているところへの要請を僕に知らせる係。 で、こんな感じになっている。 つまり、一種の社会貢献みたいな利用のされ方をしている。 コレで事実1つの国を救うレベルにまであるから、旅費は無料。 滞在中も私用以外は全て無料で賄ってくれる。 ただ、まぁ僕は学生でずっと入り浸るわけにもいかず・・・ 日帰りで事を済ます。 しかし、雨が降らない国で水で困窮する地区とかだと僕が帰るとすぐに元に戻ってしまうので、翌日また戻るっていうこともしばしば。 社会貢献に努めているのなら学校も許してくれるかって言われたら・・・ まぁそこが冒頭に話した、便利かどうか正直よく分からない微妙だからということに繋がる。 日本では別に困ってないし、寧ろ水災害で悩んでいるところさえあるからそれですべてよしと認めてはくれないんだ。 まぁそう、そういうことで・・・今日もまたアメリカのどっかの州が1か月雨も降らず困っていると聞いたわけだ。 僕の力は小雨程度から洪水レベルまで調整が効くもの。 それにどの部分に集中して降らせるかも絞れる。 ただし、半径100km圏内が最小限だけど・・・ だから便利と言えば便利だし、いらないといえばいらない。 あってほしい国にとって僕は神だけど、それ以外はただの迷惑百発百中の雨男。 そういう話。 (完)
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