ピアノのこえ 2

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ピアノのこえ 2

 1年に1度、文化ホールでピアノの発表会が行われる。  私のバイエルは、ちっとも進まない。  同じ年に習い始めたコたちが、一冊目を閉じる時、私はやっとで半分のところに、ちょっとオマケしてもらって辿り着き、栞を挟むのだ。  今年の発表会はどうしようか、とピアノの先生が額を美しい指で上品におさえ、困った顔をする。  私はここでは、地球の言葉が使えない。
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