プロローグ

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 僕が生まれた日は雨の日だった。 びちゃびちゃ雨音がして母さんが嫌な雨だねぇと言った。 屋根なんかロクにない。 どこだろう? (おぼ)れそうに雨樋(あまどい)から雨の(かたまり)が注ぐ。 覚えているのは僕の他にも兄弟が居たこと。 みんなで母さんにくっついてたのを覚えている。  その頃、僕は目が開いてなかった。 僕は末っ子だった。 姉弟は6つはいたと思う。 気付いたら母さんが公園へ僕を連れて散歩に出た。 その時、僕は母さんとはぐれた。 正確には僕を入れた兄さん姉さん、下の末っ子組だ。
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