プロローグ

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 どうしよう。 兄さんが母さんを探しに行き、兄まで分からなくなった。 僕は公園で姉さんと身を寄せ合っていた。 その時だ。 僕は地上にお月様が落ちたと思ったんだ。 大きな光が夜の闇を切り裂く。 後ろで姉さんが呼ぶ、僕は止まらない。 **  だってね。 母さんに聞いてたから。 『月夜の満月の夜に願いが叶うんだよ』 『満月って何?』 『大きな大きなお月様』 そう言って母さんは屋根から月を見た。 僕は見え始めた目をこすり、月を見た。 『あれは三日月。満月はもっともっと光が 大きくなるんだ』 **  だから僕は地上の落ちた月に向け、走った。 その時、大きな音がした。 キキキー! あとで僕は車に突っ込んだ事が分かった。 でも僕は生きてた。 助けてくれた女の子が居たから。
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