第二章 出会い

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 見られている倫も、怜士から目を離せなかった。  少し長めの、緩やかなウェーブがかかった黒髪。  目鼻立ちのハッキリした、凛々しい顔つき。  そして、ただのイケメンとは違う高貴さを、その身にまとっている。  倫もまた、ひと目で怜士に魅了されていた。  やがて怜士は、倫から少し視線を逸らし、言った。 「君は。絵から、抜け出してきたのか?」 「え!?」  それほどまでに、怜士の見た倫は美しかった。  嚙み合わない会話に、傍の和生がくすくす笑う。 「まあ、いい。登壇を許す。ミントを、ここへ」 「は、はい!」  倫は和生と共にテラスへと上がると、ミントが入ったバスケットをテーブルに置いた。  そのフレッシュな香りを、怜士は深く吸った。  身が清められるような、心地だ。 「和生。このミントを使って、お茶を淹れてくれ」 「かしこまりました」  ミントを水洗いするために、和生は倫を置いて、いったんその場を離れた。  途端に心細くなった倫が、もじもじしていると、怜士はもう一度彼に視線を寄こした。
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