第四章 お呼ばれ!?

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 ワンプレートのランチを食べながら、和生は倫に仕事のことを色々と教えてくれた。  就業規則や、始業時刻に、退勤時刻。  給与に、賞与に、有給の取り方。  倫のためにプリントアウトした、それらが記載されている文書を、封筒に入れて渡してくれた。 「具合が悪くなったりした時は、すぐに私に教えてね。しばらくは、君の傍で作業をするから」 「お世話になります」 「解らないことや困ったことがあれば、何でも言っていいよ」  にっこりと笑う和生の落ち着いた笑顔は、優しくて頼もしい。 (何だか、お兄さんができたみたいだな)  一人っ子だった倫には、嬉しい。  和生は怜士より2つ年下の27歳と聞いているが、その若さでハーブガーデンの園長なのだ。  きっと、優秀なのだろう。  長い黒髪に、少し目尻の下がった柔らかな面立ち。  痩せ型だが、仕事に使う筋肉はしっかりと発達している。  そんな和生にくっついて、倫は食後に園地を見学させてもらった。
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