第二章 出会い

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「おはようございます、怜士さま」  テラスには上がらず、離れた低いところから、和生は怜士に挨拶をした。 「……」  瞼を伏せて頬杖をついている怜士は、微動だにしないまま、少し間をおいて口を開いた。 「……もう、10時だ」 「お茶を楽しんでおられますね。よろしければ、これを」  和生は倫が抱えたバスケットを、指した。 「摘みたての、アップルミントです」 「……」  怜士はやはり物憂げに、視線だけを倫の方へ寄こした。  そして彼の姿を見ると、少し顔を浮かせた。 「見ない顔だな」 「彼は、新入りです。今後、ハーブガーデンで働く予定です」  目を開いてこちらを見た怜士に、倫は背筋を伸ばした。 「初めまして、相羽 倫です。よろしくお願いします」  表情には出さなかったが、怜士は倫の姿に一目で惹かれた。  自然と頬杖を解いて顔を上げ、じっと見つめた。
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