第1章 立てこもり

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無線で連絡を取り、応援の警官を呼んだ。 そして店を出ると、近くに立っていた男に逃げた男が向かった方向を聞きその方向へと走っていった。 警官の名前は、黒木隆佑。 警官になって、まだ3年。 道案内や駐車違反の取り締まりの経験はあったが、まだこのような大きな事件に出くわすのは初めてだった。 相手は包丁を身に着けている。 慎重に追い詰めないと自分自身も危険な目にあう可能性はある。 警察署内へは既に連絡済みだ。 助けもすぐに来てくれるはず。 そのためにも、犯人がどこにいって、今どうしているかだけでも把握しておく必要がある。 黒木は足にはある程度の自信があった。 というのも学生時代は陸上競技で県大会まで進んだことがあるランナーでもあったからだ。
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