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知らされた方向に走っていくと犯人らしき男が走っているのが見えた。
手に包丁のような刃物を持っている。
暗がりではあるが、ライトの下を通るときに刃先が赤く染まっているのが見えた。
”あいつに間違いない”と確信し、その男のいる所へと、とにかく走った。
男も警官が追ってくるのが分かると足早にかけて行ったが、どうやら、警官の方が足は速そうだと気が付いた。
“このままでは捕まる。
どこかに身を隠すか。
いや、今隠れたところで、すぐに見つかってしまう。“
足早に走り続けながら、頭は次の行動を思考した。
公園の横を通ったところで、誰かが足早に女子トイレに入っていくのが見えた気がした。
“こうなったら、仕方ない。”
実際、既に足は疲れてきていたし、多少、酔いも残っている。
頭もあまり回らなくなっていた。
”ここは、可哀そうだが、今トイレに入っていった女を人質に取って閉じこもるしかなかろう”
男はそう考えると、公園の女子トイレに入りこんだ。
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