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女子トイレに入って見回したが、人影はない。
3つあるトイレの個室のひとつの扉が閉まっていた。
さきほど、チラッと見えた女はこの閉じた扉の向こうにいるのだろう。
「おい、おまえ、悪いが今から俺の人質になってもらう。
俺は今、人を一人殺してきたところだ。
そして、今、警官がそこまで追ってきている。
これも運命と諦めてくれ。」
しかし、トイレの中からは、声どころか悲鳴も聞こえてこない。
でも、人の気配はしているし、さっきトイレに入るところが見えた気はしている。
その時、警官が公園内に入って来ようとするのが、分かった。
そこで男は警官に向かって放った。
「おい、公園内に入って来るな。
今、俺はトイレ内にいる女性を人質に取っている。
この女の命は今、俺の手中にある。
この女の命を助けたければ、公園内には入ってくるな。」
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