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朝、綾は俺と目も合わせることなく、言葉も交わさずに家を出た。
その態度で、まだ怒ってるということがよくわかった。
俺は朝刊を読みながら「はぁ…」と、大きなため息をついて、バキバキの腰を左右に捻って軽くストレッチをした。
同棲し始めて三ヶ月は、それはもう楽しかった。
帰る時間を気にする事なく、一緒にご飯を作って、片付けて、一緒にお風呂入ったりして…
仕事帰り、駅で偶然ばったり会ったときは、嬉しくて、はしゃいで手を繋いで帰ったっけ…
いつからかな…
半年を過ぎた頃くらいからだろうか…
徐々にすれ違いが生じて、互いの悪癖に不満が出始めたのは…
そして我慢に我慢を重ねて、一年が経った。
足並みが揃わずこの有様だ。
もうすぐ付き合って三年になる。
プロポーズのプランも考えていて、俗に言う給料三ヶ月分のアレも、タンスの奥に隠し持っている。(実際そこまでのものではないけれど…)
でも、こんな調子で結婚してうまくいくのだろうか…
不意にそんな不安が脳裏をかすめた。
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