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職場の朝礼は、無駄に長くてうんざりする。
朝礼の後、新人の女性社員が課長に何やら小言を言われていた。
可哀想に…と思いながらその女性社員に目をやった。するとどういうわけか、課長が去った後のその女性社員の表情と、綾の昨日の表情が重なって見えた。
あれ?もしかしたら綾、昨日会社で嫌なことがあったんじゃないか…と、今頃になって、そんな風に思えた。
そう言えば、新企画のプレゼンがどうって話してなかったか?
帰って来た時の声、どこか元気がなかったかも…
そうだとしたら、昨日、綾は話も聞いてもらえず、逆切れまでされて…
あぁ、俺、何で気づいてやれなかった?
あんな顔させちゃって…
しかも、昨日のうちに解決しないで…
一緒にいるのに独りにしてゴメン…
そんなことを思っていると、新人の女性社員の所へ同僚の男性社員が慰めに行っているのが目についた。
なんだか、急に不快な気持ちに襲われた。
女性社員と綾を重ねてみたせいだ。
綾も、同僚の若い男に慰められているかもしれないと思ったら腹が立った。
って、綾じゃないのにバカだな…
今日は早く帰ろう。
そして、ちゃんと謝ろう。
いや、謝るだけじゃダメか…
仕事もそこそこに、俺は頭を捻った。
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