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料理をすべて作り終えた絶妙なタイミングで、疲れ顔の綾が帰ってきた。
そして、食卓を見て驚いた顔を見せる。
「え!どうしたの?」
「うん、昨日言いすぎたなと思って…頑張ってみた…」
「…ハンバーグなんて作れたんだ」
「ううん、レシピサイト見て…」
頑固で可愛げのない綾は、まだ機嫌の悪いふりを続けたが、口元が緩んでしまっているように見えた。
「ふぅーん…見た目は、まぁまぁかな…――いただきます…」
綾は箸を親指に挟んで、手を合わせた。
そして、ハンバーグに箸を入れる。
グググ…
あ…ちょっと硬かったかな…
俺は自分のハンバーグには手を付けず、綾の所作をじっと目で追った。
綾はひと口大にしたハンバーグを頬張る。
もぐもぐもぐ…
綾は数回咀嚼して、突然「…ん!」と言って口に手をやった。
綾の眉間には皺がよっている。
あ、ダメなやつ?!
そんなにまずい?
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