これからもよろしく

　「んー…美味い(うまい)！」

　綾は目を見開いて俺の顔を見た。

　「初めてとは思えない！隆、料理の才能あるよ！」

　綾は満面の笑みで俺の作ったハンバーグを褒めてくれた。

　「マジ？俺才能ある？」

　俺は、綾が機嫌を直して笑ってくれたことが嬉しいやら、初めて作ったハンバーグを綾に褒められて嬉しいやらで、ヘラヘラと笑って調子に乗る。

　そして、自分の皿のハンバーグをひと口食べてみた。

　･･･―――う～ん、普通。

　不味くはない。でも、綾がそんなテンションで褒めるほどの味でもなかった。
　綾があまりに褒めるから期待値が高かったのかも…？

　まぁ、味はともかく、綾が嬉しそうにモリモリ食べているので、俺も自然と笑顔になる。
　こんな風に食べてくれると作り甲斐があるというものだ。

　俺の視線に気づいた綾は、突然食べる手を止めた。
　そして「ねぇ、隆…昨日はゴメンね……今日はご飯作ってくれてありがとう…」としおらしく、素直に謝罪と感謝の言葉を口にした。