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「今日も俺の部屋来る?昨日のゲームの続きしようぜ!」
碧斗はニコッと笑って誘ってきた。
顔は普通、笑っても普通のちょっと上くらい、背も高くも低くもない170cm
だけど、どこからどう見ても平凡なこいつを何故か俺は好きだった。
「行く」
俺の長い髪をバカにしたりしないし、俺の顔じゃなくて、俺自身を見てくれてる気がするから。
自分でも顔立ちは整っている方だとは思う。だけど、俺のルックスにたかってくる奴らにはうんざりだ。
「杏莉、回復してっ、やばい、やばっ、、、アアアアアアアア、くっそう、負けた」
「うるさ」
「ねえ!本当にクールだな、杏莉はっ、このイケメンめ」
「……………」
「せめて反応して!?俺と会話のキャッチボールはしよう?」
「碧斗、そこ左」
「おう」
「「よっしゃ」」
「もう帰んの?飯は?」
「今日はいい、じゃあな」
まだゲームをしたらなそうな碧斗にヒラリと手を振り外に出て、ズルズルとしゃがみ込んだ。
「はぁ、ずるいよな、あいつ」
この関係を壊したくない臆病な俺は碧斗に好きだと伝えることができないでいる。
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