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ホカホカに温まったら、お腹が空いてきた。今から部屋に戻って作るのもめんどくさいし、碧斗の部屋で作るか。
置いてあった碧斗のTシャツと短パンを着て、冷蔵庫の中身を確認する。
「夕ご飯作ってっていい?この前言ってた、パスタでも食べる?」
「おー、パスタ食べたい!でも、トマトあったかなぁ」
「うん、ある」
「そっか!じゃあ、よろしく〜」
パスタを茹でていると、碧斗の絶叫が聞こえ、振り向いた。
「何かあった?」
「何かあったじゃねえよっ、杏莉っ。おま、、、おまえ何つう格好してるんだよっ。ズボン短すぎるってっ!」
「短パンなんだから、当たり前だろ」
「いや、短パンでもみじかいだろっ」
「だって、碧斗の大きくて、ずり下がってくるから、折り曲げるしか無かったんだよ」
「……………………そうか。俺の前以外で履くなよ」
「碧斗のズボンなんだから、ここ以外で履かないけど、何で?」
「ちょっと、いや、大分、刺激が強いといいますか」
「何言ってんの?」
碧斗はたまに変なこだわりがある。例えば、俺の寝癖を人に見せるのを嫌がったり、俺のお弁当を他の人に食べさせるのを嫌がったり、俺の髪を他の人に結ばせるのを嫌がったりね。碧斗のこだわりで、毎朝、俺の背中まである髪を結ぶのは碧斗の役目だ。今回もそんな感じだと思う。
碧斗の隣が心地よい俺はこれからも、意味のわからない碧斗のこだわりに従うのだろう。
「杏莉〜、ご飯作ってくれたお礼にハグする?」
「しない」
「がーん。ショーック」
「そこのお茶とって」
「ねぇ、無視しないで、悲しいから」
「はいはい、後でな」
おわり
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